坂本から君へ

さかもとのブログ。自分語りとか世間話とか。大阪にいる。

小説学校が面白くなってきた

この5月から、小説の書き方を教えてくれる学校に通っている。
1年を通しての講義の内のまだまだほんの序盤なので、講義の内容もミステリやSF小説の歴史や種類についての解説が中心で、まあそれを聴いているのも面白いんだけれども、そんな話を聴いていても小説がパカパカ書けるようにはなったりしないだろうなというのが正直な感想だった。
ところどころ、文体についてのテクニック的な話があったり、アイデアを発想する際の方法論的なものについて解説があったりもするので、そこのところは「書く」上での役に立ちそうな内容であるような気がした。


そして、先週あたりからぼちぼち、講師から「課題」が出るようになった。
ぶっちゃけこの課題がすごく楽しい。
「次の文章をハードボイルド風に書き直しなさい」とか「次の5人の容疑者の中から犯人と思われる人物を選び、その理由を説明しなさい」とか、そういう形式で、表現や文体の練習だったり、アイデアの出し方についていろいろと実践してみましょうということらしい。


この課題、提出締め切りまでに2週間の期間が与えられているのだが、その間の僕は、毎日のように真剣にああでもないこうでもないと思い悩み、まるで締切に追われながらもなんとかして一片のアイデアを産み出そうとしている作家のような気分だった。
そして、そうやって提出した課題は、受講生全員の分が一冊の冊子にまとめられて、全員に配布されることになる。
この、他の人が書いたものを読むのが、超絶面白いのだ。
僕がいるクラスの受講生は、全部で15人くらいいるのだが、誰一人として同じ内容の解答になることはなく、中にはよくこんなこと思いつくよなーと感心してしまうような独創的な解答もあって、思わず唸らせられてしまう。

いままで僕の身近には、小説を書いたりするような人が一人もいなかったので、こういう人たちの中に混じって切磋琢磨するのは、文書力を鍛える上ですごくよい機会になっているのではないかと思う。

 

やっぱり、講義をただ黙ってじっと聴いているよりも、こういう風に講師から提示された課題を全員でやって、お互いに読み合いしながら評価し合うのが、この講座の醍醐味であって、こういうのがなかったら、巷にあふれている「小説の書き方本」を読んでるのとさほど違いがないのではないかと思ってしまう。
こうやって実際に手を動かして書き上げて、周りはどんな感じかなと様子を伺いつつ、講師からのフィードバックも頂きつつ、そんなこんなしているうちに、自分の中のアイデアを発想する力や、それを文章で表現する力が鍛えられていけそうな、そんな気がしている。