坂本から君へ

さかもとのブログ。自分語りとか世間話とか。大阪にいる。

生活保護の受給者に思うこと

知り合いに、生活保護の受給者がいる。

その人の年齢はだいだい僕と同じくらいなのだが、複数の持病を抱えている為に定職に就くことができずに、もう何年もの間、国から生活保護の支援を受けながら、自宅でゴロゴロするだけの暮らしを送っている。
彼に将来の夢を尋ねると、「生活保護の制度がこのまま変わらずに、支援が未来永劫続いてくれること。」だと胸を張って答えてくれる。
なんというか、こういうのを見ると、ものすごくモヤモヤしてしまう。
テレビや雑誌などのメディアで生活保護制度が取りあげられる度に、こういう感じの人が最近すごく増えているという情報を目にするのだが、実際にお目にかかったのは初めてだったので、なんだか色々と考えさせられてしまった。
確かに、こういう人が一念発起して、コンビニなどでレジ打ちのバイトを始めたとしても、月に15万円も貰うことができるかどうかといったところだろう。もうそれだったら仕事なんて何もせずに、このまま今の状況に甘んじてしまうのが自分にとってはベストな選択だと判断してしまうのも無理はないと思う。
それよりも僕が問題だと感じるのは、彼と接していて一番強く感じることが、「自分の力でなんとかしようとする気力」が彼の中に全くといっていいほど存在していないということだ。
何か身の回りで問題が起こった時に、それを自分で解決しようとすることはせずに、あくまで人頼みで、自分に手が差し伸べられるのをただひたすら待っているだけなのだ。もしかすると、他人を自分のために利用することしか考えていないのかもしれない。そんな印象すら受けてしまう。
その根底には、自分は不幸な身の上なのだから、社会から支援を受けて当然なのだという考え方がにじみ出ていて、彼のそういう姿勢をみると、なおさらモヤモヤに拍車がかかってしまうのだ。

 

話はちょっと変わるが、僕の別の知り合いで、かつて生活保護を受給していた経験を持っている人がいる。
その人は、妻一人子一人を抱えている同年代の男性で、フリーランスのITエンジニアをやっている人なのだが、ちょうどリーマンショックが起きた頃に、受注できる仕事が激減してしまい、その日食うにも困る状況に陥ってしまったそうだ。
その時期に、やむなく生活保護を受給していたそうなのだが、彼はその後、奮闘の甲斐もあって仕事が元の状態に戻り、支援を受けなくてもやっていけるくらいにまで立ち直ることができたらしい。
僕が思うに、生活保護というものは、こういう使い方をするのが正しいのではないだろうか。
どうしようもなく生活が困窮してしまった時に使える最後の支援手段として活用し、しかしその支援に100%頼り切ってしまうのではなく、そこから這い上がっていこうとする気概のある人に向けたサポート手段であるべきだと僕は思う。

 

だが、今の制度のままだと、先に挙げたような、「現状に甘んじてしまうだけの人」が増加していく一方だろうと思う。
そこで、生活保護には期限を設けることにした方がよいのではないかと思う。その期限を超えて利用している人には、支援を打ち切るのではなく、制度の適用を若干変えていくようにすればよいと思う。
例えば、3年以上受給し続けている人に対しては、家賃の援助を打ち切るのだ。そのかわり、その人達に対しては国が住む場所を提供し、4人部屋のようなところで生活してもらうなど、最低限の住環境は保証するようにすれば問題ないのではないかと思う。
そうすることで、受給者自身に対して、「このままではまずい」という危機感のようなものを植え付けることができるだろうし、それを機に、自立に向けたアクションを起こす人も出てくるのではないだろうか。
ちょっと極端なことを書いてしまったので、もしも生活保護を受給している人がこれを読んだら非難轟々だろうが、そろそろ制度を期限によって見直していくという視点を取り入れてもよいのではないかと真剣に僕は思っている。
でないと、冒頭で述べた彼の今後の人生が、残念すぎるような気がして仕方がないからだ。