さかブロ

さかもとのブログ。自分語りとか世間話とか。大阪にいる。

「The Last of Us」感想

本当に恐ろしいゲームだった。

 

 

ゾンビもののゲームであるということは以前から知っていたのだが、なぜそれほどまで世間からの評価が高いのか、ずっと不思議に思っていた。
ストーリーも見聞きした範囲では平凡なものにしか感じられない。ゾンビウィルスが蔓延して文明が崩壊した世界を舞台に、ゾンビウィルスに対する抗体を持った少女を、とある研究機関まで無事に送り届けるというミッションを請け負った主人公の冒険を描いたものだ。
昔からよくあるやつで、なにも新鮮味は感じない。
訝しげに感じながら、年末に買ったプレステ4のコントローラーを僕は操作し始めた。

 

 

プレイし始めて、すぐに違和感を感じた。
このゲーム、あまりゾンビが出てこないのだ。
じゃあ何をしているかというと、ひたすら人間を相手に戦っているのである。
世界は「北斗の拳」のような荒廃した状態になっており、そんな中で略奪を繰り返すヒャッハーな人々がいて、ゲーム序盤では彼らを相手に戦っている場面が多いのだ。
けれども、これもそんなに目新しい要素でもない。
「怖いのはゾンビではなく、実は人間なのだ」というように、怖さのポイントを微妙にずらしてくるのは、ホラー映画やドラマなどでおなじみの手法だ。だから僕は、まだこの時点でも、そんなにこのゲームに対して怖いだとか面白いだとか、とりたてて目立った印象は持っていなかった。

 

 

それが、ストーリーの中盤あたりから、だんだんと様子が変わってくる。
さきほどのヒャッハー軍団のリーダーのような人物が出てきて、主人公である僕のことを「仲間を大勢殺しまくったイカレ野郎」とつぶやくシーンが出て来る。
このシーンで少し驚いた。ああそういうことなのかと思った。
なるほど、敵である彼らから見れば、主人公は大量殺戮を繰り返す恐ろしい人物に映っているのだろう。
このあたりから、間違ったことをしているのはひょっとしたら自分の方なのではないか?という疑問が僕の心の中に芽生え始める。
それまでは主人公のことを、人類の未来の為にたった一人で少女を守りつつ孤独に戦うヒーローだと思いこんでいたのだが、そこに別の視点が混じり始めるのだ。
そして、この気持が物語の終盤へ向けて、一気に加速していくことになる。

 

 

無事に少女を研究機関に送り届けることができたものの、少女を研究してワクチンを開発するためには、少女の命を奪わなければならないことを知らされる主人公。
この時点で主人公は少女に対して、自分の娘に対するような強い親愛を抱いており、見殺しにするなんてあり得ないという気持ちを抱いてしまう。
そして、主人公が最後に選択した行動は、研究機関の人間を皆殺しにして少女を救うということだった。
このパートのラストで、無抵抗の医者に対して銃の引き金を引くシーンが出てくるのだが、実際にゲーム機のコントローラーを操作していて、本当にきつかった。
人類の未来よりも、結局は自分のエゴを優先させてしまうという、人間の悲しさ。その背景にある恐ろしさが、コントローラーを握った指先を通して直接伝わってくるかのようだった。
怖いのは、ゾンビでもなく、周囲の人間でもなく、自分自身だったのだ。それを、最後の最後で思い知らされることになる。

 

 

冒頭にも書いたようにこのゲーム、評価が非常に高くて、世界中で色々な賞を総なめにしているらしいのだが、それも頷ける内容だった。

海外ゲームは大体が「俺強ぇー」でガンガン進んでいくタイプのものが多いのだが、これはじわじわと真綿で首を絞めにかかってくるような怖さがあってとてもよかった。
続編が製作中とのことなので、次もどんなひねりの聞いた展開を味わうことができるのかと、とても期待している。

 

 

The Last of Us Remastered 【CEROレーティング「Z」】 - PS4

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