坂本から君へ

さかもとのブログ。自分語りとか世間話とか。大阪にいる。

飲み会より勉強会

僕は一時、介護関係の仕事に興味を持っていた時期があって、そっち関係の専門学校に通っていたことがある。

その時の僕は30代だったのだが、通っていた学校の同じクラスの人達は、20代から60代までの幅広い年齢層の人たちが集まっていた。さらに、その人達がそれまでに携わっていた職業はかなり多岐にわたっていて、そういう意味ではいろんな経験や考え方を持った人達と接することのできる、とても貴重な機会だったように思う。
そのクラスに通っていた期間は、わずかに三ヶ月ほどだったのだが、その間は他の生徒さん達と一緒に切磋琢磨しながら、 ヘルパー資格取得に向けて努力していた。
通っている間は、「学校ってこんなに楽しいところだったんだな」という気持ちが常に心の中を占めていたし、「学ぶってこんなに素晴らしいことだったんだ」ということを身をもって感じさせられた。
現役の学生時代の頃には、そんなこと感じたこともなかったのに、歳を取ることによって、物事の捉え方や考え方ってずいぶん変化するものなんだなと思い知らされた。

 

 

さて、そのクラスが終了した後も、自発的に同窓会的なコミュニティが生まれて、たまに小規模な飲み会が開かれるようになっていた。
僕も当初は、よくこういった飲み会に参加したり、あるいは自分が飲み会の幹事をやったりもしていたのだが、なんとなくだんだんと足が遠ざかり、最近では全く参加しなくなってしまった。
その原因のひとつは、今の僕の職業がシステムエンジニアであり、他の介護士として働いている人たちとうまく話が噛み合わなくなってきてしまったということが挙げられる。
うまくいえないが、やはり少し彼らとは距離を感じるというか、大勢でワイワイ話していても、どこか僕一人だけ輪の外にいるかのような孤独感を感じてしまうことが多く、そのせいで足が遠ざかってしまったのだ。

 

 

いっそのこと、飲み会ではなく、勉強会的なことをやってみればいいのになと思うことがある。
勉強会というからには、各人が発表したいテーマを持ち寄って、それに関するプレゼンを行い、それを観ている人達と議論し合うとか、そんな感じになるのだろう。
例えば、普段自分が携わっている介護現場で、このような出来事があって、それに対してこういうふうに対応して解決したっていう事例を紹介したりしてもいいだろう。
もっと実践的な内容にして、介護事業者として独立する為の手続きごとについてだとか、もっと社会的なものなら、介護ロボットや外国人介護士についての話題に触れてみてもいいだろう。
議論できそうな話題はいくらでもある。
なにも難しそうな顔をして真面目に話し合わなくてもいい。お酒でも飲みながら気楽に話し合えるような場所があればいいだけだ。

そしてそういう場所なら、介護に関して門外漢である僕でも疎外感を感じずに参加できるような気がするのだ。

 

 

あの頃、学校に通って介護の勉強をしていた頃、せっかくみんなで協力しあいながら勉強してきたのに、その熱量を活かして、継続してお互いを高め合うっていうことができてもよさそうなものなのに、そういうことをせずに、ただみんなで集まって管を巻いているだけっていうのももったいないなと思ってしまうのである。
じゃあお前が企画してやれよと言われてしまいそうだが、 そんなことをいくら僕が企画しても、ついてきてくれそうな人が誰一人としていないことが問題なのだ。
これがIT系の勉強会だと、意識の高い人が多くて、誰もが前に出てがんがんプレゼンしたがるのだが、介護の世界では、あまりそういうことを前に出てやりたがる人が少ないのだ。
IT系勉強会のアツいノリを、介護の世界に持ち込んで、みんなでなにかできたらなと、そんなことを夢想しながら僕は、次の飲み会の案内に欠席のメールを入れるのであった。